2021年6月18日 オーディオテクニカは、オーディオテクニカ社として初のBluetoothスピーカーフォンを発売。テレワーク・在宅ワークが推奨される昨今、Web会議などで定番となりつつあるWeb会議用スピーカーフォン。老舗オーディオメーカーが後発で参入しただけあって、この製品かなり出来が良い。以前にレビューをアップしたBluetoothワイヤレスネックスピーカー『AT-NSP300BT』も良かったが、マイクのON/OFFを手元で操作できる事や相手に伝わる音声が非常にクリアであることなど、『AT-CSP5』方が優れている点が多かったため、レビューを作成しアップをする運びとなりました。今回は3週間ほど実際にWeb会議で使用した(常用していました)使用感を記載していきます。価格はオープンプライス。店頭想定価格は、15,000円(税別)となります。
360度、全方位をカバーするマイクをスピーカーに4基配置し、推奨距離は半径1m以内(最大2m以内)。推奨最大人数は6名。本体サイズは12.2cm四方の正方形で厚さは3.05cm、重量は約325gで、軽量でコンパクト。また、本体とケーブルがまとめられるキャリングケースが付属。本体と付属のUSBケーブル2本も収納でき、外出時や出張などでも持ち運びが容易です。接続方法はBluetoothとUSBケーブルの2通り。
Bluetoothの最大接続時間は15時間。実際に3週間の利用で充電は1度だけでした。バッテリが切れそうな場合はUSB接続に切り替えれば、バッテリの制限なく無制限に利用が可能です。そしてクリアな通話を可能にする4つの機能を搭載。これがかなり良いため、詳細を記載します。
・発信者の声を検知し、自動でフォーカス・追尾する「ビームフォーミングマイク」
・エアコンや空気清浄機など、声以外の環境騒音を低減する「ノイズリダクション」
・声の大小に関わらず、一定の音量で相手に声を届ける「オートゲインコントロール」
・エコーを抑えて快適な通話を実現する「エコーキャンセラー」
これらの機能により、約20回のWeb会で一度も聞き取りづらいと言われることがありませんでした。また、アンプを内蔵しているためか、相手の声もクリアに聞こえました。
設置場所も液晶ディスプレイや壁に囲まれた狭い場所に置いて使っていますが、エコーやハウリング、こもったような音声にはならず、快適に使えています。
本体にマイクのON/OFFと、音量の調節ボタンが付いています。本体の上部中央をポチっと押せばマイクミュート(相手の声は聞こえます)となり、いちいちマウスを操作してマイクOFFにする手間がありません。本体で音量の調節ができるのも便利です。この二つの機能があるため、Web会議中にスマホの着信があっても、後ろで妻がにらんでいても、すばやい対応が可能となります。(どちらも実体験となります。)それと、ミュート時は本体が赤く光るため視認が容易で、マイクOFFで話続けていることや、マイクONでのひとり言をしていたなども防げます。これも高評価な点です。
これら機能は「さりげなく、便利な機能」としてメーカー公式ページに記載をされていますが、マイクのON/OFF機能は、スマホ向けのヘッドセットには付いていないものが多く、自分自身が話さない時間があるWeb会議では、かなり便利な機能です。
マイクOFF時:赤色LEDの視認性が非常に良いです。
小型なワイヤレスということで、妻にお願いをして少し実験をしてみました。
実験1:隣の部屋で使ってみる。スピーカーフォン本体だけを持って、隣の部屋に移動し会話をしてみましたが特にノイズもなく普通に会話できました。
実験2:小さな部屋で使ってみる。シェアオフィスなどでよくある通話ブースの利用をイメージし、1畳相当の小部屋。自宅のトイレで実験をしてみましたが、こちらもエコーやハウリングをすることなく、至って普通でした。
実験3:ベランダで使ってみる。距離的には他の実験と変わりません。が、この実験だけ「声が遠い」「声が聞き取りづらい」と、相手からNGが出ました。相手の声はクリアに聞き取れていたため、広すぎるオープンな場所ではマイクがうまく拾わないのでしょうか?実際の利用用途として外で使うことは少ないでしょうから、デメリットにもならない事象でしたが、この製品での唯一のNGがこの実験3でした。
ひとことで言うと、便利です。会議の内容を不特定の第三者に聞かれてはまずいので、自社オフィスや自宅など、利用できる場所に制限はありますが、音質や使い勝手の良さから、在宅ワークでの利用ではイヤホン・ヘッドセットに戻る気がありません。音楽を聴く場合や、動画を見る場合は、他に適した製品があります。Web会議においては、この製品がおすすめです。